MT-09はヤマハが誇る並列3気筒エンジン搭載のネイキッドスポーツです。2014年の登場以来、独特のトルク感とアグレッシブな見た目で熱狂的なファンを獲得し、国内の大型ネイキッドクラスで常にトップ争いをするモデルです。
新車価格は2024年モデルで125.4万円(ABS)。中古ではどの世代を選ぶかによって走りの質・装備・価格が大きく変わります。この記事では世代別の特徴と中古相場・SPモデルとの違い・Y-AMTとは何か・購入前の確認ポイントを解説します。
MT-09の世代整理:4つの世代
MT-09は2026年時点で4世代が存在します。型式番号とともに整理します。
第1世代:RN34J型(2014〜2016年式)

特徴:845cc・109ps・初代・圧倒的なトルク感
「刺激的すぎる」と言われた初代MT-09。845ccの並列3気筒エンジンは109psを発生し、独特のドコドコとしたトルク感が最大の魅力でした。スーパーモタードをイメージしたデザインで当時のネイキッドとは一線を画しました。
電子制御はTCS(トラクションコントロール)のみで、現代のMT-09と比べると少ない装備です。ABSは2016年から搭載されています。
- 最高出力: 109ps / 9,000rpm
- 車両重量: 193kg
- 中古相場: 55〜75万円前後(買取業者間平均49.5万円)
第2世代:RN52J型(2017〜2020年式)

特徴:外装一新・電子制御強化・クイックシフター追加
2017年に大幅マイナーチェンジ。フロントフェイスを中心に外装が刷新され、「ガーグル」フロントマスクと呼ばれる独特の顔つきになりました。電子制御も進化し、D-MODE(走行モード切り替え)やTCS・スライドコントロールシステムが強化されています。
2018年モデルからはオーリンズ製リアサスなどを採用した上級仕様「MT-09 SP」が追加設定されました。
- 最高出力: 115ps / 10,000rpm(改良)
- 車両重量: 193kg
- 中古相場: 65〜90万円前後(買取業者間平均67.1万円)
第3世代:RN69J型(2021〜2022年式)

特徴:フルモデルチェンジ・888ccへ拡大・120ps・新フレーム
2021年のフルモデルチェンジで大きく変わりました。エンジンが845ccから888ccへ排気量拡大、最高出力は120psへアップ。新設計のアルミデルタボックスフレームを採用し、スピンフォージドホイール(軽量鋳造ホイール)も新採用されています。
電子制御も大幅に強化され、スロットルバイワイヤ・クイックシフター(アップダウン両対応)・TCS・リアリフトコントロール・スライドコントロールが全搭載。現代のスポーツバイクとして必要な装備が一通り揃いました。フルカラーTFT液晶メーターも採用されています。
- 最高出力: 120ps / 10,000rpm
- 車両重量: 193kg
- 排気量: 888cc
- 中古相場: 85〜120万円前後(買取業者間平均83.2万円)
第4世代:RN87J型(2024〜現行)

特徴:大幅マイナーチェンジ・タンク形状変更・クルーズコントロール追加・Y-AMT登場
2024年に実施された変更はマイナーチェンジの名称ながら、見た目と乗り味が大きく変わった実質的なモデルチェンジと評価されています。
主な変更点
- タンク形状変更によりハンドルの切れ角が2度増加・取り回し性が向上
- フロントマスク・外装デザインの刷新
- クルーズコントロール標準装備
- フルカラー液晶メーターの視認性向上
- ハンドル・フットペグ位置の見直し(よりスポーティなポジションに)
さらに2024年後半には「Y-AMT(YAMAHA AUTOMATED MANUAL TRANSMISSION)」モデルが追加されました。クラッチレバーとシフトペダルを廃止し、手元のシーソー式レバーでシフト操作を行う電子制御シフト機構で、AT限定大型二輪免許でも運転可能な設計です。
- 最高出力: 120ps / 10,000rpm(スペック値は第3世代と同一)
- 車両重量: 193kg
- 中古相場: 115〜145万円前後(買取業者間平均101.6万円)
SPモデルとの違い

MT-09 SPは第2世代(2018年〜)から設定されているプレミアムグレードです。
| 項目 | MT-09(標準) | MT-09 SP |
|---|---|---|
| サスペンション | 標準 | オーリンズ製リアサス |
| ホイール | 標準 | 専用デザイン(ゴールドなど) |
| シート | 標準 | 専用スポーツシート |
| 新車価格差 | — | 約20〜25万円高 |
サスペンションのグレードが最も大きな違いです。峠やスポーツ走行を積極的に楽しみたい人にはSPモデルが向いています。中古市場でもSPは標準より高値です。
狙い目の世代はどこか
コスパ重視なら第3世代(RN69J型・2021〜2022年式)が最もおすすめです。
理由:
- 現行(第4世代)と同じ888cc・120psのエンジンを搭載
- スロットルバイワイヤ・クイックシフター(両対応)・TFTメーターなど装備が充実
- 第4世代より30〜40万円安い中古価格
- 流通台数がある程度あり、選択肢が多い
「最新の外装・クルーズコントロール・Y-AMT」にこだわるなら第4世代(RN87J型)ですが、中古でも115万円以上が相場となっており、新車と大差がない場合も出てきます。
購入前のチェックポイント5つ
① サーキット走行歴の確認
MT-09は峠・サーキットで積極的に使われるバイクです。タイヤの偏摩耗・ブレーキパッドの異常な減り・サスペンションのへたりはハードな走行歴のサインです。試乗して違和感がないか確認してください。
② エンジンオイルの管理状態
888cc・3気筒エンジンはオイル管理が重要です。整備記録でオイル交換頻度を確認し、オイルの状態(色・粘度・異音)をチェックしてください。ヤマルーブ プレミアム(10W-40)はMT-09に純正推奨のオイルで楽天でも豊富に流通しています。
③ 電子制御システムの動作確認
第3世代以降はスロットルバイワイヤ・クイックシフター・TCS・リアリフトコントロールなど多数の電子制御を搭載しています。各モードの切り替えが正常に動作するか確認してください。
④ タイヤの残量と種類
MT-09はスポーツ走行での使用が多く、タイヤの消耗が早いモデルです。製造年・残溝だけでなく、タイヤの種類(スポーツタイヤか否か)も確認してください。標準タイヤは前120/70ZR17・後180/55ZR17です。
⑤ フレームスライダーの装着状況
フレームスライダーの有無と傷の状態を確認してください。スライダーが装着済みで傷がある場合は転倒歴の可能性があります。未装着の場合は購入後すぐに装着することをおすすめします。楽天市場で「MT-09 スライダー」と検索すると3,000件以上の対応品が確認できます。
中古バイク全般の選び方は「【保存版】中古バイクの選び方|ZX-10Rオーナーが教える失敗しないチェックポイント」も参考にしてください。
まとめ

MT-09の中古購入をまとめると👇
世代の整理
- 第1世代(2014〜2016年式):845cc・109ps。55〜75万円前後
- 第2世代(2017〜2020年式):外装刷新・電子制御強化。65〜90万円前後
- 第3世代(2021〜2022年式):フルモデルチェンジ・888cc・120ps・新フレーム。85〜120万円前後
- 第4世代(2024〜現行):外装刷新・クルコン追加・Y-AMT登場。115〜145万円前後
SPモデル
- オーリンズリアサス・専用ホイール・専用シートが標準より20〜25万円高
狙い目は第3世代(RN69J型・2021〜2022年式) 現行と同じ888cc・120psで装備も充実しながら、第4世代より30〜40万円安い
購入後すぐ揃えたいもの
- フレームスライダー(楽天3,153件と在庫豊富)
- 純正推奨オイル(ヤマルーブ プレミアム 10W-40)
👉 中古バイク全般の選び方は「【保存版】中古バイクの選び方」を参考にしてください。 👉 バイクの売り時・買い替えタイミングは「【2026年版】バイクの売り時・買い替えタイミング完全ガイド」で解説しています。 👉 ZX-10Rの中古相場は「【2026年版】ZX-10Rの中古相場と狙い目の年式ガイド」もあわせてどうぞ。


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