バイクの任意保険に入るとき「車両保険も付けた方がいいですか?」という疑問が必ず出ます。
バイクの車両保険の加入率は非常に低い——二輪車の車両保険普及率はわずか2.5%(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度版 第18表」・2024年3月末時点)。 加入しているライダーは100人に2〜3人という計算です。
この低い加入率には理由があります。しかし「加入率が低い=不要」とは言えません。この記事では車両保険の仕組み・バイクで補償される内容・保険料の目安・入るべき条件・入らなくてもいい条件を解説します。
バイクの車両保険とは:任意保険の「自分のバイク」への補償
まず整理します。
任意保険の補償の種類
| 補償の種類 | 何をカバーするか | 必要性 |
|---|---|---|
| 対人賠償責任保険 | 相手(人)への損害賠償 | 最重要・必須 |
| 対物賠償責任保険 | 相手の物(車・建物等)への損害 | 必須 |
| 人身傷害保険 | 自分・同乗者のケガ | 重要 |
| 車両保険 | 自分のバイクの損害 | 任意(加入率2.5%) |
車両保険は「自分のバイクが損傷・盗難にあったとき」の補償です。 対人・対物賠償は相手への補償なので別物です。
バイク特有の注意点
四輪車(自動車)の任意保険には標準的に車両保険が設定されていますが、バイク(二輪車)の任意保険では車両保険は別途オプション・または専用の少額短期保険として加入する形が一般的です。
主要な任意保険会社の多くはバイク向け車両保険を提供していますが、提供していない会社もあります(例:アクサダイレクトのバイク保険には車両保険の補償が含まれていない)。
バイク車両保険の補償内容の種類

バイク車両保険の補償は提供会社によって大きく異なります。代表的な補償の種類:
① 全損補償
バイクが修理不可能な状態(全損)になった場合に保険金が支払われます。
- 対象になるケース:他の車との衝突・事故による全損
- 対象にならないケース:自損事故(会社によって異なる)
② 盗難補償
バイクが盗まれた場合に補償されます。
バイクの盗難リスクの現実: 警察庁の統計では年間数万件のバイク盗難が発生しています。特に大型バイク・外車・人気モデルは盗難リスクが高い。ZX-10Rのような大型スポーツは盗難ターゲットになりやすい車種の一つです。
盗難保険に特化した専門の保険(SBI日本少額短期保険「みんなのバイク保険」等)も存在し、年間保険料を抑えながら盗難に特化した補償を得られます(SBI日本少額短期保険公式確認)。
③ 転倒補償(自損事故補償)
自分のバイクが転倒・自損事故を起こした場合に補償されます。
- 対象になるケース:駐車場での転倒・コーナリング中の転倒等
- 転倒補償は「車両保険の中でも最もコストに対する恩恵を得にくい補償」とも言われます(保険料が高く・転倒の度に使うと等級が下がる)
④ 当て逃げ補償
停車中に当て逃げされた場合など、相手が不明の場合の損害に補償されます(チューリッヒ公式確認)。当て逃げ・交通事故の過失割合については「バイク事故の過失割合をわかりやすく解説」でも解説しています。
車両保険の保険料目安

保険料は「バイクの車両価格・型式・保険内容・年齢・等級」によって大きく変わります。以下は参考例です(アクサ損保試算例等から)。
| バイク | 参考保険金額 | 保険料の目安(月額) |
|---|---|---|
| 大型スポーツ(200万円超) | 206万円(参考) | 月5,000〜15,000円程度 |
| 中型バイク(50〜100万円) | 58万円(参考) | 月2,000〜8,000円程度 |
※上記は参考例です。実際の保険料は各社の公式見積もりツールで試算してください。
車両保険に「入るべき条件」と「入らなくていい条件」
これが本記事の核心です。
入るべき条件
① 購入価格が高く、ローン残債がある
ローンでバイクを購入していて残債がある場合、バイクが全損・盗難にあうと「バイクはない・ローンは残る」という最悪の状況になります。残債が多いうちは車両保険の加入が特に重要です。
ローンの考え方は「バイクを買う時の頭金はいくら?ローンの組み方」でも解説しています。
② 新車・高額なバイク(100万円以上)
バイクの価値が高いほど、全損・盗難時の損失が大きくなります。ZX-10R(240万円台)のような高額バイクでは、車両保険の「安心料」としての価値が高まります。
③ 盗難リスクが高い地域・環境(屋外駐車等)
マンション・都市部の屋外駐車・施錠が不十分な環境での保管は盗難リスクが高く、盗難補償の価値が上がります。
④ サーキット走行をする(ただし注意)
サーキット走行は多くの任意保険・車両保険の免責事項に含まれています。サーキット走行時の転倒はほとんどの車両保険で補償対象外です。
入らなくてもいい条件
① 中古で安く買ったバイク(市場価格30万円以下)
市場価値が低いバイクの車両保険は「保険料 > 補償価値」になりやすい。
② バイクのローンを完済しており、損失を自己負担できる
貯蓄がある・バイクを乗り換える予算がある場合は「自家保険」という考え方もできます。
③ ガレージ保管で盗難リスクが極めて低い
シャッター付きガレージ保管・盗難が考えにくい環境なら、盗難保険の必要性は低下します。
安全運転での転倒リスク軽減については「【2026年版】バイクの危険予測・ヒヤリハット対策完全ガイド」も参考にしてください。
バイク専用の盗難保険:少額短期保険という選択肢
全損・転倒まで含む包括的な車両保険ではなく、盗難に特化した「バイク専用盗難保険」という選択肢もあります。
代表的な商品:
SBI日本少額短期保険「みんなのバイク保険」
- 盗難補償に加えて交通事故による車両破損に対する補償も提供(SBI日本少額短期保険公式確認)
- 少額短期保険(正式名称:車両専用保険)のため、大手損保の車両保険とは補償内容・条件が異なる
→ 購入前に必ず重要事項説明書・契約のしおりを確認してください。
ZX-10Rオーナーとして:私が選んだ保険の考え方
私のZX-10Rは新車購入で240万円台の高額バイクです。
対人・対物・人身傷害は無制限・最高水準の設定にしています。 相手への補償は「とにかく手厚く」が鉄則です。
車両保険については、ZX-10Rは盗難ターゲットになりやすい車種であることと、購入価格が高額なことから盗難特約を別途検討しています。ただし「サーキット走行中の転倒」は保険の対象外のため、サーキット走行は「起きたら自己負担」という覚悟で走っています。
任意保険全般の詳細は「【2026年版】バイク任意保険の保険料相場」でも解説しています。
まとめ

バイクの車両保険をまとめると👇
現状の加入率
- 二輪車の車両保険普及率:わずか2.5%(損害保険料率算出機構「自動車保険の概況 2024年度版」2024年3月末時点)
補償の種類
- 全損補償・盗難補償・転倒(自損)補償・当て逃げ補償等
入るべき条件
- ローン残債がある新車・高額バイク
- 盗難リスクが高い環境(屋外・都市部)
- バイクの市場価格が高い
入らなくてもいい条件
- 安く購入した中古バイク(30万円以下)
- ローン完済・自己負担できる経済状況
- ガレージ保管で盗難リスクが低い
注意:サーキット走行中の事故は多くの車両保険で免責(補償対象外)
👉 任意保険の選び方は「【2026年版】バイク任意保険の保険料相場」を参考にしてください。 👉 事故後の対応は「【2026年版】バイク事故の後にすること完全ガイド」でも解説しています。 👉 過失割合の基礎は「バイク事故の過失割合をわかりやすく解説」も参考にしてください。 👉 ローンの組み方は「バイクを買う時の頭金はいくら?ローンの組み方」でも解説しています。


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